石巻の人の優しさ、人とのつながりに囲まれて
私の好きな石巻で働く
地域おこし協力隊武井 友佑さん
巻組との関わり
巻組が運営に関わる「とりあえずやってみよう大学」に参加
東京都調布市出身です。高校生のときに、石巻や女川に実際に行って、震災について学ぶ団体に所属していました。NPOこどもネットの「復興の未来へ行こう!ワカモノプロジェクト」という団体です。
高校1年生の時に、団体で初めて石巻に来ました。その団体で石巻にきて、語り部の方の話を聞いたり、石巻を見て回ることを通して、震災や石巻のことを知ることができました。
石巻で働きたい、そう思っていた時、巻組さんが運営しているとりあえずやってみよう大学を、いしのまき演劇祭で繋がっていたISHINOMAKI2.0の矢口さんに紹介してもらい、参加しました。一応お手伝いスタッフということで入ったのですが、講演も聞かせてもらいました。その中でも印象に残っているのが、フィッシャーマンジャパンの長谷川琢也さんのお話です。長谷川さんの講義の「外の人だからできることがある」という言葉が忘れられません。自分だからできることがあるかもしれないと思いました。そして、自分が好きになった石巻だからこそ、できることがあるはずと思い地域おこし協力隊になることを決めました。
石巻で地域おこし協力隊として仕事をしたいと思った理由がもう1つあります。石巻に惹かれたからです。川開き祭りに来ていた時、1人でキャリーバックを引っ張って歩いていたら、あるおばあちゃんが話しかけてくれました。「どっからきたの?」と。話が盛り上がって気が付いたら30分も経っていました。東京では、街中を歩いていて人に声をかけられるなんてことないから、その時おばあちゃんが話しかけてくれたのが、人から話しかけられるっていうことが初めてでした。見知らぬ僕に話しかけてくれる、そんな人がいる石巻に惹かれました。
高校卒業後、地域おこし協力隊として、公益社団法人3.11みらいサポートで仕事をしています。具体的には、震災伝承プログラムを含んだツアー開発と観光客に向けたグッズ開発を行っています。2020年4月17日に地域おこし協力隊として仕事を始めてから1年が経ちました。学ぶことの多い1年だったけれど、いきなりツアーやグッズを作成するのは、難しくて、1年目は何もできませんでした。巻組さんに地域おこし協力隊のコーディネート機関として、相談にのってもらえていることは、すごく助かっています。
なかなか、仕事では思うように行かないこともありますが、石巻で仕事を初めて、そして移住してみて、やっぱりここにきて間違ってなかったなと感じています。石巻の人は優しくて、仕事をはじめてから前よりも、いろんな人から声をかけてもらうようになりました。
地域おこし協力隊は残り2年で任期が満了になります。地域おこし協力隊の人の中には、協力隊を途中で辞めてしまう方や、任期終了後すぐに帰ってしまう方もいますが、僕は任期終了後も終わったからすぐではなく、石巻に残って夢を目指そうと思っています。自分には役者とかラジオの仕事をしたいという夢もあります。でもその夢をやりたいからすぐ東京に帰るのではなく、何かをしてからと考えています。
石巻のことが好きで、いろんな人とつながることもできました。
これからも、頑張りたいと思います。
(2020年4月取材)