巻組について

巻組について

M E S S A G E

代表挨拶

もう「消費者」は要らない。
巻組のしごとは、自ら思考し、
幸福な暮らしを創造する「生活者」を育てること。

2011年、石巻での出会い

巻組が本拠地を置く宮城県石巻市は、2011年の東日本大震災の震源に最も近く、甚大な被 害を受けました。

私が最初にこの地に足を踏み入れたのは、その年の5月。まだ津波による破壊の傷痕が生々しく、ライフラインも復旧していません。そこには、首都圏近郊のサラリーマン家庭に育ってきた私には到底想像もしえない暮らしがありました。

ゴム製の共同の浴槽にお湯をはり、みんなで少しずつ使う。近所から水を汲んできて、タンクに手動で水を入れてトイレを流す。信号の消えた道を互いに譲り合って進む。

便利が当たり前の生活が消え、「当然こうあるべきだ」という常識から解放されると、生活者同士のリアルなコミュニケーションが広がり、かえって快適に生活することができると気づいた経験でした。

この街の商店街でボランティアをしにきた私が、最初の朝に目にした光景は、商店主さんが自主的に集まって情報を交換する姿です。それは、店が泥だらけになって営業が再開できない中、今日なにか動かなければ明日の生活ができないという危機感の中にいる経営者たちの背中でした。受け身で助けを待つばかりでなく、自分たちの力で何とかしようという熱気に、その場は溢れていました。

それを見て、当時、大学院1年生で就活しながら研究活動に励んでいた私は、頭を殴られた ような気がしました。誰かの敷いたレールに乗って、できるだけ安定感のある大企業に就職すれば幸せになれると考えていた私にとって、自分たちの人生は自分たちで切り拓かなければ生きられないという危機感を背負って前に進もうとする経営者の姿は、それほど衝撃的でした。

これが、思えば私とビジネスとの出会いです。

私の取組の原点

それまで「常識」だと思われていた日常から解放され、自分の生き方は自分で決めなければ ならないという「自分ミッション」の世界が、震災直後の被災地には広がっていました。そこへ、「せっかく生き延びたのだから、とりあえずやってみよう」という思いを持った経営者やアーティスト、クリエイターたちがたくさん集まるようになりました。一方、広範囲でたくさんの方が住まいを奪われた状況下、住宅インフラの復興事業は典型的な大量生産型で進められました。

大事にされてきた田園を大規模に埋め立てて造成された住宅地。

街の風景をガラッと変えてしまった数々の大規模マンション。

海と人の生活とを切り離してしまったコンクリート防潮堤の壁。

もちろん、急いで住宅を供給することは、誰かの命を守るために必要なことではあったはずです。しかしその手法は、爆発的に人口が増えていた高度経済成長期からほとんど変わっていません。結果、震災後の石巻市内でに供給された新築住宅は、震災後たった9年の間に約7千戸。その裏で空き家は1万3千戸に達しています。

誰にも使われず朽ちていく廃屋に近い空き家を、ほぼ無料でいいので引き取って欲しい。多くの大家さんからのそんなご要望に応え、そうした不動産に価値を付けて次の時代を生きる人々の幸せな暮らしにつなげるのが、私たち巻組の仕事です。

生まれ変わった元空き家を生かしてくれるのは、スタートアップの起業家やアーティスト、外国から来られた皆さんなどです。彼らは0から1を生み出すエネルギーと創造性に溢れているにもかかわらず、既存の不動産流通市場の中では家を借りづらい状況にありました。経済的な理由もありますが、多拠点居住やマルチジョブ(多様な仕事に同時並行で取り組む)といったライフスタイルが、既存の制度に合わない場合もあります。私はこうした人々を「住宅マイノリティ」と呼んでいます。

家があれば、生きられる。

家があれば、始められる。

家は、貨幣経済的価値観でいう単なる「資産」にとどまりません。家は暮らしのベースです。住宅マイノリティを含む多様なバックグラウンドを持った人々が、自分の人生について自ら思考し、自らの暮らしを創造するためのベース=社会資本として、無価値な空き家を生かしていこうというのが、私の取り組みの原点にあります。

巻組が目指すもの。

巻組の取り組みはまだまだ小さなものです。人口減少が進む時代にありながら相変わらず大量生産型の住宅供給は止まらず、全国で空き家は増え続けています。

一方、2020年からの世界的な新型コロナウィルスの蔓延により、資本主義社会は大きな変革を迫られています。今後の世界では、とにかく需要を生み出し、たくさん生産・消費し、いらなくなったら捨てるという、一方的なプロダクトやサービスの流れが成立し続けることは難しいでしょう。そこでは、住まいや暮らしは他者から与えられるものではないと気づき、その心地よさを自ら思考し生み出す、主体的な生活者を育てていく必要がありま す。

そこで巻組は、職業も世代も多様な人々がみな主体として活躍できる共生型の住まい(Co-housing) や、傷んだ空き家をリノベーションするだけでなく、使えないものはダウンサイクルして新しい生かし方を考えるリユースなど、様々なアイデアを実現したいと考えます。

巻組の活動の大指針

1)生産消費の一方通行的なリニア経済を脱し、「消費者」を作らず自ら心地よい生活を思考し創造する「生活者」を育てる

2)全ての人々が生活を営む上で他者を生かす価値を持っていることを信じ、お互いに価値を交換しあいながら、貨幣経済に頼らない人と人との関係性を構築する

3)無価値なものを再価値化し、社会的マイノリティや内発的動機に従って暮らしを生み出す「アーティスト」に投資することで、持続可能な地域経済に資するサービスやプロダクトを生み出す

これらを場づくり、人材プラットフォームづくり、資源や人の循環サポートなどのアプローチから実践していきます。社会のあり方や支配的な価値観が変わっても、自らの幸福を自らの力で追求できる、誰も打つことのできない「出る杭」を作る。その過程に巻き込まれてくれる方々を、私たちはいつでも歓迎しています!

株式会社巻組 代表取締役 渡邊享子

C O R P O R A T E P R O F I L E

会社概要

社名 株式会社巻組
創業 2014年4月
設立 2015年3月(2021年5月に合同会社から株式会社へ移行)
代表取締役 渡邊 享子
資本金 5,100,000円
顧問弁護士 札幌北商標法律事務所 川上 大雅
顧問税理士 日野税理士事務所 日野 一義
従業員数 6名
住所 〒986-0822
宮城県石巻市中央2丁目3-14 観慶丸ビル2階
電話 / FAX 0225-24-6919
※お問い合わせはメールにて受け付けております。
メール info@makigumi.com
ウェブサイト https://www.makigumi.org
事業内容 ・賃貸住宅の管理運営(シェアハウス、ゲストハウスの運営等)
・建物の設計施工(リノベーションのコーディネート)
・クリエイティブ人材の育成支援
・地方創生に関するコンサルティング
・実践型インターンシップのコーディネート