人と人、人と自然を繋ぐ場所を目指して。
Active Life Labの提供価値とは。
Active Life Lab代表 環境活動家宮城 了大さん
巻組との関わり
巻組が運営する実践型インターンシップ・プログラムの大学生インターン受け入れ
僕は石巻出身で、高校卒業後にハワイの大学に留学しましたが、東日本大震災が発生したことから石巻に帰ってきて、それからずっと石巻で活動しています。震災があったことで失われてしまった人や自然の元気な姿を取り戻し、ここ石巻の海を遊べる海にしたいという思いから、震災の支援団体、ダイビングショップ、ボランティア団体などで働きながら様々なことを学びました。そして一般社団法人はまのねの事業に関わりながら、地元の方との関係性づくりとマリンアクティビティの仕組みづくりのために準備を進め、昨年2019年にActive Life Labを立ち上げました。
Active Life Lab は、環境活動家が運営する”楽しい生き方研究所”です。環境優先型ゲストハウス、Active Life -YADO-の運営や、SUP(Stand Up Paddleboard)やカヌーなどによる自然体験型プログラムを提供するMiyagi Outdoor Labを通して、狩猟やアウトドアアクティビティを取り入れた暮らしの提案を目指しています。
Active Life Labでは、”どういう暮らしをしていけば楽しく生活していけるのか”ということを考えます。世の中には色んな人がいてそれぞれ考え方は違っていて、人によって楽しみや幸せの価値観は違うと思います。僕の場合だと豊かな自然の中で過ごすことが贅沢で楽しいなと思うんです。Labはそれを追及する場所であって、僕の思う贅沢な暮らしを他の人に提供する、暮らしのお手本を示す場所になればいいなと思っています。
立ち上げから最近まで、このような自分の思い描いていたビジョンがうまく言語化されていなかったところに、巻組さんがコーディネートする2019年度春の復興創生インターンのお話をいただきました。インターンに来てくれた大学生3人が、それをうまく表現する手段を考えてくれました。
また、言語化したのをActive Life -YADO-に飾ってある黒板にまとめてもらいました。他にも、環境問題を宿泊者に身近に感じてもらうために、今どのような環境問題が具体的にあり、身近な生活につながっているのかを見えるようにするために、もう一つ黒板を作成しました。もう少しブラッシュアップしてその黒板も掲示する予定です。他にも、環境優先型のゲストハウスって打ちだすにあたって、さらにどうしたらいいかを詰めていくために、泊まった人にアイデアをもらうアンケートも作りました。それから、玄関にエコバッグを設置しました。ゲストハウスの隣がコンビニエンスストアで便利ですが、レジ袋をこの距離でもらってきて、すぐに捨ててしまっていたんです。そこで、エコバックをここに設置して、131回使うと、このエコバック自体を作る環境負荷が0になる。「132回目からがやっとエコって言えるよね」とアピールするために設置しました。ただエコバックを使うのではなくて使う方も面白く、使い甲斐があるように工夫してくれました。インターンでは基本的に、学生がいろんなアイデアを出してくれたものを、挑戦しました。みんな自発的に積極的に関わってくれました。
独立して1年ちょっとしか経っておらず、また、インターン生の受け入れも初めてでこちらも不安を感じていましたが、色んな成果も出せて学生にとっても充実した時間が過ごせたのではないかと思います。
巻組さんに間に入ってもらえたことで、マッチングやその後のやりとりもスムーズにできたと思います。来てくれた学生に一生懸命向き合うことができたのは、コーディネーター団体のおかげなので、とても感謝しています。また機会があればぜひ受け入れたいと思っています。
今後の活動については、まだ手探りの部分はあるのですが、環境問題についてもっと多くの人に考えてもらいたくて、そのきっかけをアウトドアアクティビティやゲストハウスを通して作れたらいいなと思っています。その時代に合わせた楽しい暮らしや豊かな暮らしをActive Life Labで体現して、お手本の一つとして世の中に提案することを目標にしています。
自然に触れる機会がないと、自然を大事にしようという気持ちすらも生まれてこないと思うんです。震災があったことで海で遊ぶことができない期間があったので、ちょうどその頃に”小さいときに海で遊ぶ”という現体験がない子どもたちが、「海を大事にしよう」って思うのは中々難しいんじゃないかなと思って。
子どもに限らず、自然の中で遊ぶ楽しさを気軽に味わってほしい、それでもっと自然を好きになってほしいです。自然を好きになるってことが、環境問題や地球のことを考えるきっかけになって、自然を守ることの一歩になってもらえるように活動を続けていきます。
(2020年4月取材)