一人一人の強みを掛け合わせ、
面白いことに挑戦し続ける
のんき 代表 島田 暢さん
巻組との関わり
巻組物件「日和が丘 木の家」のリノベーションにおいて蛤浜産の木材でコラボレーション
巻組が運営に関わる空き家活用のイベント「イシノマキオモシロ不動産大作戦」に参加
出身は種子島で、震災ボランティアがきっかけで石巻に来ました。知り合いに紹介してもらった、渡波に拠点があるNPOに所属し、2011年5月末から震災ボランティアを始めました。石巻に来てから1年くらいはボランティアをしていました。2年目からは平日はアルバイトをして、週末ボランティアをしていました。がれき撤去を中心にやっていた班の活動は、2011年10月に活動が終わりました。それからは、被災した店舗を再開までサポートする活動をしていました。
2012年6月に、蛤浜出身の亀山(現:一般社団法人はまのね代表理事)と知り合い、蛤浜に関わり始めました。当時の蛤浜はコンテナが打ちあがったままだったり、がれきが残っていたり、大きな瓦礫も手つかずの状態でした。はまぐり堂も夏の台風の土砂災害で腰まで埋まっていました。「これはなんとかしないと」と思い、人を集めて泥のかきだしをしました。
今は「のんき」として面白いことをやりつつ、仕事をしています。具体的には、狩猟関連でシカ肉の販売、子どもたちの食育、レザークラフト、モノづくりが仕事の軸です。その他に車両整備や映像制作など、枠にとらわれず色んな事をやっています。
今までは、はまのねの裏方仕事をしていました。モノづくりもしていましたが、研修を行うはまぐり堂・高見やマリンアクティビティができるタイニーハウスといった人・場所づくりに関わってきました。「のんき」という屋号で個人事業を始めてから色々チャレンジしているところです。「のんき」で様々な仕事をするうえで、”お互いの強みを生かして何かできないか”ということを常に考えています。強みの掛け算というのが事業コンセプトのメインにあるんです。その方がお互いのスキルの幅も広がると思っています。
巻組のリノベーション物件で、蛤浜の木を使ったのも、掛け算の一つです。様々なイベントなどで講演している巻組さんの発信力と蛤浜の環境循環型のストーリーというお互いの強みの掛け合わせです。お互いの強みを取りつつ、お互いに紹介し合うことができるのがいいなって思ってます。はまぐり堂で、「巻組のあの家に、蛤浜の木が使われているんですよ」と。そして、巻組の物件を見に来た人に、「蛤浜の木を使ってるんですよ」と、お互いに紹介できるかなと思っています。
今回、巻組と一緒にやることになったきっかけは、蛤浜の木を使った家ができたらいいね~という妄想のような、「できたらいいな」という話がずっと前にあったんです。こういうことやってみたくない?できたらいいよね、ということから始まって、途中忘れて、いつか思い出してスイッチが入ってやり始めるということが、ここ、石巻ではよくあるんです。そこから、どうやって実現させるかを話し合えるのも楽しいです。今回は、蛤浜の木を使うという、材料でのコラボレーションだったんだけれど、「こうしよう」「これいいね」と話し合えて作れるのが良かったです。話し合って作れると、その時でないと思いつかないようなアイディア、そしてその家にしかない、再現できないものが出来上がって良いなって思ってます。今度は工事も一緒にやれたらもっと面白いかなと思ってます。
継続的にオモシロ不動産に参加しています。これまでフルで参加していて皆勤賞です(笑)オモシロ不動産の2.5回で、今リノベーションしている家とマッチングをしました。0円物件の話が出て、ちょうどその時、自分が住んでいた借家が来月解体しますと連絡があったタイミングでした。手続きとか分からないこともあったけれど、とりあえず欲しいです!となりました。勢いもあったかもしれないです(笑) 譲渡に当たって、持ち主の息子さんとやり取りをしました。自分がはまのねでやっていた、次世代に繋ぐ活動などを理解してもらい、譲渡する家を次世代につなげる良い家にしてもらえるだろうと家を譲っていただけることになりました。
今、リノベーションしながら、この家を起業家向けのシェアハウスにできたらいいなと考えています。起業家とかと一緒に、次のビジョンを話し合ったり、具体的なことが決まってきたら一緒に仕事をしたりできたら面白いかなって思っています。その家で面白い街づくりの会議をいつでもできたらいいなと考えています。今リノベーションしている家に出会えたのは、オモシロ不動産のおかげです。オモシロ不動産は、毎回面白い物件が出てくるから、早く今の家のリノベーションを終わらせて、次の新しい物件とマッチングをしたいなって思ってます。オモシロ不動産には、近隣の栗原市からいらっしゃる方や行政の方とか、石巻の外からもいろんな人が来るようになってきていると感じています。初めて合う人との出会いもあり、お互いの情報交換もできる場です。地域間を越えて、一緒にアイディアだしをできるのも良いなと思っています。
これからも大工仕事をやりつつ、狩猟をしていきます。鹿の解体場ができたり、革工房ができていったりするので、受注生産でレザーのものを作ったり、鹿事業を頑張っていきたいと思っています。また、ジャンルを問わずに面白いことを楽しくやっていきたいとも思っています。
ワクワクすること、面白いことにアンテナを張りながらキャッチしていって、そういう仕事をしていきます。もっといろんな人に出会って、色んな人と一緒に仕事ができたらいいなと思っています。
(2020年4月取材)