石巻で出会う人々が最大の魅力
離れていても「つながっている」と思うことが
日々の活力に

TISTOU株式会社 代表取締役平田倫子さん

巻組との関わり

会員制コミュニティ「Third Self」第1号会員

■モノの背後にある作り手の「思い」を売る

私が1999年に設立したTISTOU(ティストゥー)は、ヨーロッパを中心とした世界のインテリアデザインブランドおよびアーティストの日本総代理店です。もともと花屋を目指してベルギーで修業していた経緯もあり、最初はフラワーベース(花器)の輸入からスタート。現在ではアウトドア家具や照明、プレイツールなど7ブランドを取り扱っており、東京・蔵前にショールームがあります。

これらのブランドに共通しているのは、本質的に「いいもの」であること。価格帯的にはハイエンドかもしれませんが、ただのラグジュアリーとは一線を画しています。SDGs時代、廃棄物のリサイクルが奨励されますが、実はリサイクルにも多くの熱エネルギーが必要。だったら、そもそも捨てないこと、捨てられないものを作ることが本当のエコではないでしょうか。耐久性に優れるいい素材で丁寧に作れば、大量生産品よりはどうしても高価になります。でも、そういう作り手のポリシーに私は共感しますし、その共感の輪を広げていきたい。だから、私はモノを売るだけでなく、その背後のストーリー、作り手の「思い」を売っているのです。

■一度の滞在で「また来たい」と思う場所に

私が初めて石巻を訪れたのは、2020年の秋でした。取引先の設計事務所dada株式会社の野村さん*に、「おもしろいところだから一緒に行こう」と誘われたんです。
私は静岡で生まれ育って、今も静岡にある本社と東京を行き来する日々です。自然豊かでのどかで、利便性もそこそこ良く、住みやすい。“地方都市”というとそんなイメージを持っていたこともあり、野村さんが言う「おもしろさ」が一体どんなものなのか、想像がつきませんでした。

*Third Self共同企画者の野村大輔さんのインタビューはこちら

それが、2日後に帰るころには「またここに来たい!」という強いに変わっていました。一番大きかったのは、巻組代表の渡邊享子さんや蛤浜プロジェクトの亀山貴一さんなどと出会えたこと。難しい課題もたくさんあるこの地で、信念を持って活動している彼らの「思い」に触れ、私はとても共感しました。こういう人たちがいれば「日本の未来は明るい」と、心から思いました。

前述のとおり、私にとって「共感」はとても大事。仕事で海外に行っても感じることですが、言葉の問題以前に、共感がないと真のコミュニケーションはできません。石巻には、共感できる人がこんなにたくさんいる。だから、巻組さん、野村さんたちが石巻を楽しむ会員制コミュニティ「Third Self」を立ち上げたとき、迷わず第一号会員になりました。

ちなみに、Third Self会員専用コワーキングスペースのなかには、野村さんがデザインした「タイニーハウス」というコーナーがありますが、その装飾に使っている木は、私が蛤浜の森から亀山さんに分けていただいたもの。このタイニーハウスは、もともと野村さんが森の中に作ることをイメージされていたので、蛤浜の森が家の中に入り込んで、外と内がつながるようなコンセプトで装飾しました。このコワーキングには他にも、TISTOUで扱っているフラワーベースとバランスボールを協賛させていただきました。

■価値観が違ってもリスペクトできる人と出会うこと

蛤浜をはじめ、石巻の山海の自然も魅力です。私が最初に滞在したときは、早朝からタコ漁に行ったり、その後バーベキューをしたりして非日常を楽しみました。コロナで二拠点居住を実践する人が増えていますが、私自身が二つめの拠点を持つなら、できるだけ東京近郊ではなく、もっと自然に近いところがいいな、と思っています。特に、都会の利便性に慣れてしまった人にとって、自然を満喫しながら、仕事をする環境が整っているという意味でも、石巻はちょうどいいのではないでしょうか。このコワーキングに来ればWi-Fiなどの設備はもちろん、機能的で美しい椅子やテーブルなどの家具もそろっているのですから。

私自身は仕事の性質上、都心と地方を頻繁に行き来する二拠点生活はむずかしいのですが、たとえば木曜の夜から月曜の朝など、週末をはさんだ形で石巻に滞在したいと想像を膨らませています。Third Self会員宛てに届く蛤浜の海産物をいただきながら、近いうちに訪れるその日を楽しみに待っていようと思います。なかなか現地に行けなくても、こうして「つながっている」と感じることが、日々の活力になります。

だれしも仕事などで煮詰まることがあるでしょうが、そんなときは場所を変えてみるのがおすすめです。そこで出会う人から刺激をもらい、道が拓けることがあるから。同じ趣味嗜好の人と交流できるSNSは楽しいけれど、自分の世界が偏っていく怖さをはらんでいるような気もしています。私はこれまで、さまざまな国や地域を訪れてきました。場所が変わると、自分と思考の異なる人たちと触れ合うことができます。価値観が違っていてもリスペクトでき、共感できる人との出会いはとても大切。それこそが人生における幸せだと、私は思っています。

(2021年6月取材)

石巻で出会う人々が最大の魅力
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